よくある質問(Answer)
インプラント治療ってなんですか?
失われた歯の代わりとして、顎の骨に人工の歯根(インプラント)を植える治療方法です。
埋め込みで使用される人工歯根のインプラント体に使われる素材は、生体親和性の高い「チタン」が用いられており、異物防御反応が起こるのはほとんどないと言われています。
顎の骨に植える箇所はらせん状で骨がつきやすい(骨性癒着:オッセオインテグレートと言います)ように加工されています。形態は棒状の単独植立です。
年齢制限はありますか?
18歳以上で健康な方なら問題ありません。高齢者の方も問題なく治療ができます。まずはご相談ください。
交通事故で歯をなくした場合でもできますか?
できます。骨の状況(骨がどの位残っているか)が問題ですので、条件が良ければ問題ありません。
インプラントのメリットは何ですか?
・何でもよく噛める
・入れ歯のような不快感がない
・他の残っている歯を守ることができる
などのメリットがあります。
最近では、「しっかり噛めるので老化防止や癌予防、ボケ防止にもなる」とも言われています。
インプラントのデメリットは何ですか?
・外科手術が必要です
麻酔を行うため、手術中の痛みはほとんどありません。ご希望であれば、寝ている間に手術をすることもできます。
・噛めるまでに期間がかかる
通常のケースでは数ヶ月はかかりますが、患者さまの顎や口腔内の状態次第では、手術をした日に噛めるようにすることも可能になります。
・保険が効かない
インプラントは健康保険適応外のため、費用がかかります。
しかし、インプラント治療による健康への寄与を考えると決して高い費用とはいえないと考えております。
また、万が一何かあった場合には保証もついておりますので安心です。
噛み合わせが悪くても大丈夫ですか?
噛み合わせなどを含めて総合的に診断を行い、治療計画を立てますので大丈夫です。
糖尿病ですが、インプラント治療はできますか?
一般的な話として、糖尿病の方はインプラント治療ができないとされています。
しかし、医師の管理下で状況をコントロールされている軽度の糖尿病の患者さまは治療を受ける事ができます。
患者さまにより症状が異なりますので、ご希望の方はご相談ください。検討の上、その方に応じた治療法をご提案いたします。
金属アレルギーは大丈夫ですか?
インプラント(人工歯根)はチタンでできています。チタンは金属の中でも身体への負担が少なく、アレルギーも少ない金属です。
チタンアレルギーの方にインプラントを入れると、インプラントが抜けてきますので、チタンアレルギーの疑いがある場合はパッチテストなどで事前に調べる必要があります。
インプラントができない人はいますか?
年齢18歳未満、心臓病、重度の糖尿病、重度の骨粗しょう症などをはじめとする「健康状態が著しく悪い方」は適しておりません。まずはご相談ください。
インプラントに上にかぶせる「被せ物」が壊れることはありますか?
被せ物は金属であれば壊れませんが、セラミックなどの素材では壊れたり、かけたりする事があります。とはいえ、保証期間がありますので保証期間内であれば保証内容にて再治療します。
即日インプラント(その日のうちに歯が入るインプラント)はできますか?
患者さまの口内状況によります。
顎の骨の硬さや、顎の骨の厚みなどの状態により異なりますが、状態がいい場合、その日のうちにインプラントを埋入し、仮歯を入れることができます。ご希望の方は一度、ご相談ください。
骨の量が少なくても大丈夫ですか?
骨の少ない方は骨を増やす手術(GBR法、サイナスリフト法、スプリットクレフト法など)を行えば、問題ありません。ただし、これらの手術には、外科手術を必要とします。外科的な負担が少ない方がいい方は、ショートインプラントなど負担が少ない方法を選択しております。
喫煙者ですが、インプラント治療はできますか?
喫煙者は絶対にインプラント治療が受けられないというわけではありません。とはいえ、喫煙はインプラントだけでなく、歯周病に対しても症状を悪化させる原因のひとつです。
タバコを吸われる喫煙者は、非喫煙者に比べインプラントの成功率が低いことが、学会発表でも証明されております。喫煙は予後が悪く数年しか持たないケースが多く報告されております。タバコのニコチンによる血流阻害や血管収縮はインプラント治療に悪影響を及ぼすからです。
高血圧ですが、インプラント治療はできますか?
血圧は薬でコントロールされていれば、問題ありません。
しかしながら、服用されている薬や症状など一人ひとりケースが異なりますので、事前に必ずご相談ください。
手術は痛いですか?
インプラントの手術は局部麻酔をかけますので、痛みはありません。
当院では麻酔と静脈内鎮静法を使用し、痛みに配慮した治療を行っております。
インプラント治療は大変ですか?
以前のインプラントをご存知の方は、「大変な手術をして入れるもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思います。しかし、ここ十数年で素材や形態・植える方法が改良され、処置できるようになりました。
また素材が良く、処置も以前と比べ簡潔になったことから、インプラントの件数も増えてきました。インプラントが長期的にも機能することも分かってきました。
しかし一方で、やはりケアの重要性と全身疾患によっては適応症例の幅が問題となっております。
手術時間はどのくらいかかりますか?
1~3本ぐらいであれば、1時間〜1時間半ぐらいで終わります。また、骨を作ったりと複雑な手術になるともう少し時間がかかります。
手術中はずっと口を開けてなくてはいけませんか?
器具の取り替え時など、患者さまが口を楽にする時間を設けております。
治療期間はどのくらいですか?
インプラントの手術をしてから上の白い歯がつくまで、4~6ヶ月かかります。
また、歯周病治療直後のインプラント埋入など、手術のリスクが高かった場合は、少し様子を見なくてはいけないためさらに数ヶ月かかります。
手術後の入院は必要ですか?
入院は必要ありません。一応手術後は安静にしていただくように説明しておりますが、デスクワークといった事務処理などの仕事は差し支えないと思います。
インプラントが失敗したらどうなりますか?
患者さまが再手術を望めば、もう一度インプラント手術を行います。再手術の費用は保証内で行います。
食べ物で気をつけたほうがよいものはありますか?
堅い物を噛むと歯が割れる時があるように、あまり堅い物はやめた方がいいと考えております。普通に食べられる物であれば問題ありません。
将来、体に害はないですか?
害はないと考えていただいても、差し支えありません。ただし、チタンアレルギーの方は注意が必要です。チタンアレルギーがあった場合、しばらくすると抜けてしまうからです。
インプラントが歯周病になったらどうしますか?
軽度の場合は歯周病の治療を行います。重度の場合は手術が必要となってきます。場合によっては抜くしかできないこともあります。とはいえ、定期検診に通うことで歯周病の予防ができます。
インプラント治療を受けたことが他の人にばれませんか?
外観からインプラント治療をしていることに気づかれることは、まずありません。
インプラント治療において重要なのが、前歯の治療になります。この問題を解決すべく、さまざまなタイプのインプラントやそのパーツが開発されました。
そのため、食事中に外れたり、カタカタ音がしたり、会話中発音障害などもほとんど起こりません。インプラントは自分の歯と同じように何でも噛め、食事を楽しむことができます。
手術後、腫れたりしませんか?
患者さまによっては外科的刺激が大きくなり少し腫れることもありますが、それ自体は手術に対しての当然の反応なので心配はいりません。多くの方は3~4日後に腫れがピークとなり、約1週間ほど経てば完全に収まります。
手術後の運動は大丈夫ですか?
できるだけ運動は避けてください。体が温まると血流が盛んになり痛みが出たり、出血の原因になります。また体が疲れると抵抗力がなくなり治りも悪くなります。
手術後の食事は大丈夫ですか?
ほとんどの場合、術後3~4時間ぐらいで麻酔が切れます。しびれがなくなれば食事をしても大丈夫です。ただ、できるだけ手術をしてない箇所で食べ物を噛んでしてください。また、できれば柔らかい物をいただいてください。栄養をとった方が抵抗力がつきますので早く治ります。
手術後のお風呂は大丈夫ですか?
できれば軽いシャワー程度にしてください。体が温まると血流が盛んになり痛みが出たり、出血の原因になります。
手術後の歯磨きはしてもいいですか?
手術した部位の歯磨きは避けてください。縫い合わせている糸が切れたり傷口が開いたりしますので、他の部位を歯ブラシで丁寧に磨くことをお勧めします。汚れると感染の原因になるからです。
その際、歯磨き粉は使わないようにしてください。また、歯磨きの後の「ぶくぶくうがい」もしないようにしましょう。どうしても、という方は軽くゆすいでツバを吐く程度でお願いします。
薬は飲まなくてもいいですか?
痛みがなくても抗生物質と痛み止めは服用してください。感染予防と炎症を和らげる効果があります。
手術後は歯が抜けたままですか?
ほとんどの場合、仮歯もしくは入れ歯を入れるようにしております。手術によってはすぐ入れられない場合もあります。
定期的な検診は必要ですか?
インプラントはチタンのため虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。また歯周病になると非常に進行が早いため、予防するためにも定期的なクリーニングが必要です。
自分の歯と同じように噛むことはできますか?
自分の歯と同じように考えていいと思います。自分の歯で噛める物はインプラントでも噛めます。
手術後に注意することはありますか?
手術当日は、激しい運動、入浴(長湯しなければシャワー等は問題ありません)、飲酒も避けてください。また、感染を防ぐため、出された薬をきちんと飲んでください。うがい薬は手術翌日から使い、患部を清潔に保ってください。
インプラントはどのくらいもちますか?
患者さまのお口の中の衛生管理に大きく関係してきますので、お口の衛生状態が悪いとインプラントの寿命が短くなる場合もあります。
インプラントの歴史は1950年から始まり、実用化されたのは1965年からです。実例として、1965年にインプラントを行った患者が亡くなるまでの41年間は問題なく機能しておりました。
つまり40年間耐えられる実績は証明されております。常に衛生状態を良好に保ち、担当医師や衛生士の指導に従っていただくことが大切です。インプラントの10年生存率は95~97%前後です。
歯と歯ぐきの間・歯と歯の間に食べ物がつまりやすくなった気がします
インプラント体ともとの歯の根の太さが異なることに起因します。
歯と歯ぐきとの隙間が天然歯の時と全く同じ状態にならないことが関係しています。
もちろん人工歯を製作するときは詰まりにくいように色々な工夫をして設計するのですが、食べ物が詰らない形態というのは詰まってしまった汚れを逆にとりにくく、歯ブラシしにくい形態なのです。
歯磨きのしやすい形態も考慮していますのである程度はブラシでうまく対処していただくことが必要ですが、ちょっとした修正で改善できる事もありますのでご相談ください。
噛みごこちが少し違うのですが……
天然歯には、歯とあごの骨の間に歯根膜というクッションがありますが、インプラントにはこのクッションがないので、噛んだときの力が骨に直接伝わるためです。周りの歯とのバランスを考えながら噛み合わせの調整をします。
インプラントをして数年後にインプラント体が動揺・脱落してしまった
多くの場合、インプラントの過重負担とインプラント周囲の感染症が原因です。
揺れているインプラント体を、ムリにお口の中に残しておくと、周囲の骨がさらに無くなってしまいます。早期に取り除くべきです。インプラント体を取り除いて骨と粘膜が治るのを待ち、再び新しいインプラントを植立するか別の治療法を選択するかを検討します。
感染に関しては、インプラントも歯と同じように歯周病にかかる事があります。
病気や免疫・体調の変化で、さらに加速する事もありますから、日ごろのプラークコントロールは重要です。また、ちょっとした噛み合わせの変化がインプラントを駄目にしてしまう事もありますので、定期検診は必ず受けるようにしてください。
鼻から頬にかけて、感覚異常があるのですが……
上顎洞炎の可能性があります。上顎の上方には上顎洞という鼻に通じる空洞が存在します。(この上顎洞の役割は今だ解明されていません)
歯やインプラント体の先端は、この上顎洞と接近しているために、細菌感染が起きた場合、この上顎洞にも炎症が波及してしまう可能性があるのです。天然の歯でも見受けられる症状です。
顎の骨が少なくなってきた気がします
歯槽骨(顎の骨)は、加齢とともにある程度吸収していきます。インプラント周囲骨も例外ではなく、骨はある程度失われていきますが、過重負担や感染、免疫のバランスが崩れると骨吸収はさらに加速します。
インプラント周囲骨が大きく吸収してしまった場合、もしかすると同じ部位へのインプラント再治療は不可能かも知れません。その場合は別の治療法を検討することになります。骨吸収をいかに最小限に抑えることができるかがインプラント治療の今後の課題です。
頬や舌のあたりを、噛んでしまいます
歯のない期間が長期に及ぶと、歯のなかったスペースに頬や舌が入り込んできます。そこに新しい歯が入ると頬や舌の筋肉がその変化に対応できずに、舌や頬を噛んでしまう事があります。
筋肉は徐々に慣れていきますから、心配はありませんが、一度噛んでしまうと腫れてふくれるので、また噛んでしまうという悪循環が生じてしまいます。
発音しにくくなった気がします
お口の中の環境が変化したためです。これは慣れなのですが、慣れる期間については個人差があります。